
16世紀初頭に真正院日随上人によって開山されたと伝えられる最然寺では、山門から本堂に続く参道、およびその一帯空間の改修において、計画設計と施工を担当いたしました。
お寺が位置する京都上鳥羽地域の皆様に、より開かれた場とすること、仏教用語や俳句、画などが空間全体と調和しながら掲示できる場とすることが改修の主な目的となりました。




改修にあたっては、大きく密に育った樹木の整理と剪定を行い、既存の蹲組や石造品の風格を活かしつつ、光や風が通る明るい空間を目指しました。
また、お寺の行事はもちろんのこと、お茶席や小さなイベントにも柔軟に対応できるよう、参道と一体となった広い空間を確保し、気軽に集える場としました。
以前は本堂前の空間と墓地が、竹垣によってゆるやかに区切られている状態でしたが、 今回の計画では、これらを掲示スペースとしても機能する焼杉板塀に更新しました。墓地と本堂前の空間をしっかりと塀で仕切り、背景を作り出すことで、本堂前の佇まいをぐっと引き締めました。



境内を彩ってきた既存のサルスベリやモクレン、キリシマツツジなどはそのまま活かし、シダレザクラなどの他の植栽もできる限り計画地内で移植しました。さらに、新たにモミジやドウダンツツジなどを迎え入れることで秋の彩りを添え、 空間全体の植栽を調和させて配置しました。

使われていなかった既存の蹲も、周囲の植栽をすっきりと整え、その存在感を際立たせることで、本堂の前の空間が活き活きと明るい印象になりました。


元々参道に使われていた板石や葛石、飛石等は、処分せずに墓地内の砂利部分へ移設・敷き直しをしました。これまで使われていた石材も大切に再利用しながら、お参りに来られた方々の歩きやすさを向上させています。

所在地 / 京都市南区上鳥羽北岩ノ本町25
事業主 / 日蓮宗最然寺
造園・ランドスケープ デザイン設計・施工 / 植彌加藤造園
設計 / 2025年6月~2025年12月
施工 / 2026年1月~2026年4月
対象 / 1階外構:109㎡