植彌加藤造園は、伝統的な日本庭園の育成管理の技術をもとに、次の時代へ、新しい景色をはぐくみます。
景色は、自然環境と人の営み、そしてそれらを取りかこむ社会が構成しています。数百年という長期間にわたり庭園をはぐくむ育成管理の技術は、現代社会と密接に関わることで、景色をより豊かに未来にはぐくむことができます。
植彌加藤造園は、今まで培ってきた伝統技術による庭園管理や作庭の事業に加え、社会のありように即した庭園の活用事業を行います。確かな研究に基づき、庭園それぞれの個性を最大限に活かし、日本文化の交差点である日本庭園の魅力を最大限に引きだします。そして、その価値を世界に伝え、永続的な庭園のはぐくみが、より良い社会を形作ることを目指します。
京都の職人は、自然と向き合い、その変化や特徴を細部まで観察し尽くし、空間表現に映してきました。植彌加藤造園は、この技術を次の世代に継承し、新たな視点で伝え残す人材を育成することで、想像を絶するスピードで巨大な資本が動く未だかつてないこの時代に、人や、社会がより良い未来へ、真の価値を見いだすことができるよう貢献します。
思ったものがすぐに手に入り、気がつけば常に新しいものに囲まれている大変便利な現代社会では、ときに数百年という時間をかけてはぐくむ日本庭園は、とても効率の悪いものと映るでしょう。しかし、このはぐくみの技術は、現代にこそ、より良い社会を形作るための価値を持ちうると考えています。
日本庭園のはぐくみは、作庭4分育成管理6分です。作庭工事の際には、人やお金など多くの資本を投じますので、竣工した時の喜びはひとしおです。しかし、大切なのはその後のはぐくみです。それは単に伸びた枝を切ることではなく、お施主さまの考えや、その庭園の個性や置かれた環境を読み取り、人にとっては他者である自然の造形を受け入れ理解した上で、空間表現に日々生かしていく絶え間ない行為です。また、庭園を直接はぐくむだけではなく、その魅力をわかりやすく伝え、大切に思う心をはぐくむことも同様に必要です。このようなはぐくみがあるからこそ、淘汰の中では決して得られない、すべての人に通じる安らぎと豊かさを、日本庭園は与えることができます。
約1200年前、平安時代に書かれた『作庭記』には「人の立てたる石は、生得の山水に勝るべからず」とあります。これは人間のなせる技は自然の造形を超えることがない、常に自然を敬い、そこから学びとりなさい、という意味です。この先人のメッセージを心に刻み、日々のはぐくみに向かい合いたいと考えています。
植彌加藤造園株式会社 代表取締役社長
京都芸術大学 大学院 日本庭園分野 教授、博士(学術)。1966年京都市生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、造園業を営む家業に入る。日本の庭園文化を継承しつつ、最高の技術と感性で伝統を創造するプロの職人集団を育成し、日々精進を積む。現在、京都芸術大学において実学に則した庭園研究の指導に取り組んでいる。北米日本庭園協会(NAJGA)国際カンファレンスにおける基調講演(2014年/2018年)など、国内外にて講演多数。
■主な受賞
2013年 5月 日本造園学会賞(研究論文部門)受賞
2018年 12月 日本イコモス賞2018受賞
2019年 5月 日本造園学会賞(技術部門)受賞
2021年 5月 日本造園学会賞(事業・マネジメント部門)受賞
■主な所属学会
(公社)日本造園学会・理事、日本庭園学会・理事、日本遺跡学会、文化財保存修復学会、日本産業技術史学会、史迹美術同攷会・理事、人を大切にする経営学会
■特別対談
-> 北米日本庭園協会(NAJGA)会長 ケンダル・ブラウン氏×加藤友規『日本庭園は二十一世紀のクラシックランドスケープ』 (2015年1月)
-> ポートランド日本庭園CEO・スティーブン・D・ブルーム氏×加藤友規×山口隆史『エンゲージメントがつくる人と庭の幸せな関係』(2015年10月)
造園業を通じて、全社員の物心両面の幸せを追求するとともに、人類社会の進歩発展に貢献すること。
いつまでも変わらない本質的なもの『不易』を伝承しながらも、時代のニーズに応じて変化を重ねるもの『流行』を取り入れる、永続的発展企業として社会に貢献すること。
世界に誇る伝統文化である日本庭園を担う心技体
京都の職人としての見識と技術
作庭や育成管理などの従来業務のみならず、
庭園の魅力を最大限に利活用し、
御施主様や関係者様へ最高のおもてなし空間を創造すること。