庭を知る

庭園研究

庭園の育成管理、施工に携わる技術者としての視点から研究を行い、発表を行います。
研究成果を庭園管理や技術の発展、継承に活かすことを目的として、定期的な研究発表を学会などを通じて行っています。

最近の研究活動

その他
業績

尾山遺跡池泉跡移築復元事業について

  • 吉田芙美代
  • 吉川大輔
  • 深川毅一
  • 加藤友規
日本庭園学会 関西大会 2024.11 pdfダウンロード

尾山遺跡泉跡は、大阪府三島郡島本町桜井で発見された鎌倉時代後半頃の遺構である。この泉跡は、庭園遺構や儀式の場として機能していた可能性が高く、水無瀬離宮、または後鳥羽上皇に近しい皇族・貴族との関連も考えられている。本事業では、泉跡を桜井せせらぎ公園内に再現し、地域住民に歴史的価値を分かりやすく伝えることを目指した。工事では、保存石材や発掘土を活用し、3D点群データや記録写真等の既往資料を参考に当時の姿を再現した。また、植物遺体として検出した樹種であるケヤキを再現遺構の近くにシンボルツリーとして植栽した。これにより、再現遺構が地域のアイデンティティを形成していく場となり、文化財保護と地域振興の新たなモデルを提示した。
※現在、池泉跡は泉跡、移築復元は再現と表現が変えられているため、本要旨の表現は変更後のものを採用した。

その他
業績

名勝渉成園におけるチョウ類群集と環境評価

  • 後藤 香奈
  • 稲本 雄太
  • 太田 陽介
  • 鷲田 悟志
  • 和田 貴子
  • 加藤 友規
ランドスケープ技術報告集 Vol.3 2024.06 pdfダウンロード

名勝渉成園は都市部にくらす生き物達にとって貴重な生息地となっている可能性が示唆されている。本稿はその裏付けとして生き物と庭園管理の視点からチョウ類に着目し、渉成園の環境について評価するため、2020年8月から2023年7月にかけてチョウ類の調査を行った。3年間で確認したチョウは5科26種535個体であり、自生植物を活用し景色づくりを行っている場所では野花を餌植物とするモンシロチョウやキタキチョウを確認した。ゴマダラチョウやムラサキシジミ、イチモンジセセリは定着を確認した。渉成園内に存在する様々な環境は京都市内の点在する緑地として役割を果たしている可能性があると示唆された。

その他
業績

渉成園の育成管理 - 日に渉り時代の心をはぐくむ「真宗式」庭園 -

  • 鷲田 悟志
  • 太田 陽介
  • 加藤 友規
ランドスケープ技術報告集 Vol.3 2024.02 pdfダウンロード

京都市下京区に所在する渉成園は真宗本廟(東本願寺)の飛地境内地であり,国の名勝に指定されている。これまで主に歴史的側面に沿って管理を実施してきたが,都市部の緑地である事から,レフュージア(Refugia・避難地)としての価値の側面に焦点を当て, 管理コンセプトをデザインしなおした。具体的には生き物の生息域の保護や枯死した樹木,枯れた下草を生かした景色作りを行っている。また、クロマツやモミジなどは本来の生息地の風景を再現しようと試みている。園内に生息する動植物のふるまい,仏教概念としての「生老病死」を真宗大谷派の教えである「響きあう命」の姿として見つめ庭園の景色の構成要素として位置づけている。より魅力ある庭園を未来に伝えるため、文化財を後世に伝える取り組みとして「不易流行」の実践を続けている。

研究発表

エリザ・シドモア(Eliza Scidmore)の“The Famous Gardens of Kioto” を通した無鄰菴庭園の本質的価値の再検証

  • マイケル・シャピロ
  • 小椋菜美
  • 加藤友規
日本庭園学会 関西大会 2022.11 pdfダウンロード

英語文献による日本庭園史の研究:エリザ・シドモア(Eliza R. Scidmore)の”The Famous Gardens of Kyoto” (京都の名園)を中心に

  • マイケル・シャピロ
  • 小椋菜美
  • 加藤友規
日本庭園学会 全国大会 2022.06 pdfダウンロード

東山風景林における清水山の変遷と将来像

  • 太田 陽介
日本造園学会 関西支部大会 2021.10 pdfダウンロード

特別史跡特別名勝平城京左京三条二坊宮跡庭園の復原整備工事における植栽管理と地割りについて

  • 吉川大輔
  • 小椋菜美
  • 加藤友規
  • 池田裕英
  • 吉村龍二
日本造園学会 関西支部大会 2020.10 pdfダウンロード

特別史跡特別名勝平城京左京三条二坊宮跡庭園における景石の保存修復について

  • 吉川大輔
  • 小椋菜美
  • 加藤友規
  • 池田裕英
  • 吉村龍二
文化財保存修復学会 第41回大会 2019.06

文化財庭園の本質的価値を生かした育成管理―名勝無鄰庵庭園の修復剪定技術を中心に

  • 加藤友規
  • 阪上富男
  • 出口健太
文化財保存修復学会 第41回大会 2019.06

野花の管理 -無鄰菴庭園の価値性を尊重して-

  • 阪上富男
  • 加藤友規
  • 出口健太
  • 半田沙奈絵
日本庭園学会 全国大会 2019.06 pdfダウンロード

造園における伝統的技法を活用した現代工法の開発について ― 石敷の「ユニット工法」を中心に ―

  • 加藤友規
  • 山口満
  • 渡辺伸也
日本産業技術史学会 第34回年会 2018.06 pdfダウンロード

山縣有朋記念館所蔵の古写真に見る往時の無鄰菴庭園に関する研究

  • 加藤友規
  • 清水 一樹
  • 阪上 富男
ランドスケープ研究 80(5) 2017.03 pdfダウンロード

公益財団法人山縣有朋記念館が所有する写真帖『無鄰菴』に綴じられた9枚の写真のうち、6枚は山縣関連の諸資料や先行研究にて確認されたことのない写真であった。 本研究では、この古写真を中心に往時の庭園の姿と現状を比較し、庭園の空間構成や利用形態の変化を考察した。 植栽は年月に伴う変化がみられるものの、情景としては作庭時の意図が現在まで守られている。 また、撮影位置の特定が困難になるほどの変化は見られなかったが、園路については取捨選択、新設、拡幅があったものと見え、利用面での変化を反映していると考えられる。 写真帖『無鄰菴』に綴じられた写真の撮影時期は不明だが、集合写真に写る人物から、うち1枚は明治42年頃の撮影と思われる。 これらの分析を通じて、無鄰菴の歴史的価値やその変遷過程がより深く理解され、今後の庭園管理や保存活動における指針となることが期待される。

「名勝無鄰菴庭園」の本質的価値を見つめた庭園管理-山縣有朋の愛した野花を生かした芝生管理のあり方-

  • 阪上富男
  • 加藤友規
  • 半田沙奈絵
日本庭園学会 全国大会 2017.03

日本庭園の癒しの空間と次世代の育成について

  • 加藤友規
  • 加藤武史
  • 熊倉早苗
北米日本庭園協会(NAJGA)カンファレンス 2016.03

日本庭園管理

  • 加藤友規
淡路花博2015花みどりフェア『世界の庭園と景観園芸に関する国際フォーラム』報告書 2015.04 pdfダウンロード

都ホテル葵殿庭園における流れのき損の仕組みと導き出せる修理の本質

  • 加藤友規
  • 阪上富男
  • 今江秀史
日本庭園学会 全国大会 2014.06 pdfダウンロード

無鄰菴庭園の緊急修理にみる保存管理の継続性

  • 阪上富男
  • 加藤友規
  • 吉村龍二
  • 仲隆裕
  • 今江秀史
日本庭園学会 関西支部大会 2013.11 pdfダウンロード

對龍山荘庭園 百年後のための庭園管理計画-Ⅰ百年の変遷を探る

  • 加藤武史
  • 小山由美
  • 加藤友規
日本庭園学会 関西支部大会 2013.11 pdfダウンロード

無鄰菴の維持管理

  • 阪上富男
  • 加藤友規
(公社)日本造園学会 関西支部大会 2013.10 pdfダウンロード

渉成園の空間的特質に関する研究 : 利用形態と情景の変遷にみる時代性の考察

  • 加藤友規
ランドスケープ研究 77(2) 2013.08 pdfダウンロード

渉成園の江戸時代後期における利用形態からみた空間構造

  • 加藤友規
(公社)日本造園学会 関西支部大会 2011.10 pdfダウンロード

何有荘庭園における歴史的変遷と復元的考察

  • 加藤友規
日本庭園学会誌 2011巻 (2011)25号 2011.10 pdfダウンロード

渉成園の空間的特質に関する研究

  • 加藤友規
(社)日本造園学会 関西支部大会 2011.01

頼山陽の『渉成園記』にみる「渉成園十三景」の情景分析

  • 加藤友規
(社)日本造園学会 関西支部大会 2009.10

出版物

無鄰菴の庭園管理と運営―名勝庭園としての運営と観光のあり方―

  • 加藤友規
庭園観光研究会 2018

造園実務必携

朝倉書店 2018 朝倉書店

渉成園の四つの門-西門から入園した頼山陽

  • 加藤友規
思文閣出版 2018

南禅寺大寧軒

  • 加藤友規
『庭園学講座ⅩⅩⅣ 数寄者と庭の物語』,京都造形芸術大学 日本庭園・歴史遺産研究センター 2017.08 pdfダウンロード

庭をつくるということ-100年の夢を楽しみながら、庭の景色を育む-

  • 加藤友規
『庭園学講座ⅩⅩⅣ 数寄者と庭の物語』,京都造形芸術大学 日本庭園・歴史遺産研究センター 2017.08 日本庭園・歴史遺産研究センター

和輪庵庭園

  • 加藤友規
『庭園学講座ⅩⅩ 日本庭園の門段とポストモダン』,京都造形芸術大学 日本庭園・歴史遺産研究センター 2013.08 pdfダウンロード

近世末から近代にかけての渉成園の利用形態と情景に関する考察

  • 加藤友規
『庭園学講座ⅩⅦ 近代数寄者の庭-植治をめぐる人々』,京都造形芸術大学 日本庭園・歴史遺産研究センター 2010.08 日本庭園・歴史遺産研究センター

口頭発表

Preservation Policies for Historical Gardens in Japan and Cases of Restoring and Civic Use of Gardens that are Cultural Properties
(日本における歴史的庭園保護政策と 文化財庭園修復・活用事例)

  • 尼﨑博正
  • 加藤友規
RE:PUBLIC LANDSCAPE Cyltural Heritage Administration Special Session 2022.09

現代の現場から

  • 尼﨑博正
  • 加藤友規
北米日本庭園協会(NAJGA)カンファレンス 2018.09

京都の近代庭園 七代目小川治兵衛

  • 加藤友規
北米日本庭園協会(NAJGA)カンファレンス 2018.09

京の庭師の精神 ~時空を繋ぐ景色の育成~

  • 加藤友規
北米日本庭園協会(NAJGA)カンファレンス 2014.10 pdfダウンロード

その他

その他
業績

尾山遺跡池泉跡移築復元事業について

  • 吉田芙美代
  • 吉川大輔
  • 深川毅一
  • 加藤友規
日本庭園学会 関西大会 2024.11 pdfダウンロード

尾山遺跡泉跡は、大阪府三島郡島本町桜井で発見された鎌倉時代後半頃の遺構である。この泉跡は、庭園遺構や儀式の場として機能していた可能性が高く、水無瀬離宮、または後鳥羽上皇に近しい皇族・貴族との関連も考えられている。本事業では、泉跡を桜井せせらぎ公園内に再現し、地域住民に歴史的価値を分かりやすく伝えることを目指した。工事では、保存石材や発掘土を活用し、3D点群データや記録写真等の既往資料を参考に当時の姿を再現した。また、植物遺体として検出した樹種であるケヤキを再現遺構の近くにシンボルツリーとして植栽した。これにより、再現遺構が地域のアイデンティティを形成していく場となり、文化財保護と地域振興の新たなモデルを提示した。
※現在、池泉跡は泉跡、移築復元は再現と表現が変えられているため、本要旨の表現は変更後のものを採用した。

名勝渉成園におけるチョウ類群集と環境評価

  • 後藤 香奈
  • 稲本 雄太
  • 太田 陽介
  • 鷲田 悟志
  • 和田 貴子
  • 加藤 友規
ランドスケープ技術報告集 Vol.3 2024.06 pdfダウンロード

名勝渉成園は都市部にくらす生き物達にとって貴重な生息地となっている可能性が示唆されている。本稿はその裏付けとして生き物と庭園管理の視点からチョウ類に着目し、渉成園の環境について評価するため、2020年8月から2023年7月にかけてチョウ類の調査を行った。3年間で確認したチョウは5科26種535個体であり、自生植物を活用し景色づくりを行っている場所では野花を餌植物とするモンシロチョウやキタキチョウを確認した。ゴマダラチョウやムラサキシジミ、イチモンジセセリは定着を確認した。渉成園内に存在する様々な環境は京都市内の点在する緑地として役割を果たしている可能性があると示唆された。

渉成園の育成管理 - 日に渉り時代の心をはぐくむ「真宗式」庭園 -

  • 鷲田 悟志
  • 太田 陽介
  • 加藤 友規
ランドスケープ技術報告集 Vol.3 2024.02 pdfダウンロード

京都市下京区に所在する渉成園は真宗本廟(東本願寺)の飛地境内地であり,国の名勝に指定されている。これまで主に歴史的側面に沿って管理を実施してきたが,都市部の緑地である事から,レフュージア(Refugia・避難地)としての価値の側面に焦点を当て, 管理コンセプトをデザインしなおした。具体的には生き物の生息域の保護や枯死した樹木,枯れた下草を生かした景色作りを行っている。また、クロマツやモミジなどは本来の生息地の風景を再現しようと試みている。園内に生息する動植物のふるまい,仏教概念としての「生老病死」を真宗大谷派の教えである「響きあう命」の姿として見つめ庭園の景色の構成要素として位置づけている。より魅力ある庭園を未来に伝えるため、文化財を後世に伝える取り組みとして「不易流行」の実践を続けている。

名勝渉成園における京都府絶滅寸前種「ミズアオイ」確認の経緯と生息域外保全

  • 後藤香奈
  • 和田貴子
  • 太田陽介
  • 阪上富男
  • 加藤友規
ランドスケープ技術報告集 Vol.2 2023.06 pdfダウンロード

真宗本廟(東本願寺)の飛地境内地である渉成園において、2018年に『京都府レッドデータブック2015』の絶滅寸前種に指定されているミズアオイが確認された。2005年から実に13年ぶりの開花確認となり、その理由としては2014年から行われている保存修理事業によって印月池の浚渫が行われたことにより眠っていた埋土種子が目覚め、開花に至ったと推測される。渉成園入口での展示の他、個体数・遺伝子多様性を維持するため、弊社他各連携場所で生息域外保全を行った。今後は自生地で再度育成していきたいと期待している。

日本庭園の「こころ」と「わざ」を建築内で表現した京都駅前地下街ポルタでの事例

  • 渡辺伸也
  • 加藤友規
  • 山口満
ランドスケープ技術報告集 Vol.1 2023.02 pdfダウンロード

純粋な日本庭園をつくる機会が減る中、別荘やホテル、商業施設などで日本庭園の要素をいかした空間づくりの機会は増してきている。今回、京都の玄関といえる、京都駅と連続した商業空間にて、日本庭園をイメージした空間づくりの御依頼をいただき、計画・設計・床面の石工事に携わらせて頂いた。その「こころと技」について報告する。

「京都岡崎の文化的景観」をはぐくむ地域の活動 -伝統的庭園の植栽管理を事例に

  • 加藤友規
ランドスケープ研究 85(4) 2022.01 pdfダウンロード

文化財庭園における本質的価値の尊重と新たな価値創造型差サービス-名勝無鄰菴庭園等に見られる管理・運営マネジメント

  • 山田咲
  • 加藤友規
  • 阪上富男
  • 太田絢子
ランドスケープ研究 85(2) 2021.07 pdfダウンロード

文化財としての名勝無隣庵庭園における本質的価値と顧客管理をむすびつけた運営の成果

  • 山田咲
  • 太田絢子
  • 加藤友規
ランドスケープ研究 Vol.84 増刊 技術報告集 2021.07 pdfダウンロード

造園の伝統技術を活かす現代工法 一敷石の「ユニットエ法」一

  • 山口満
  • 渡辺伸也
  • 加藤友規
  • 佐々木葉二
  • 長谷川浩己
ランドスケープ研究 Vol.82 増刊 技術報告集 2019.03 pdfダウンロード

特別史跡特別名勝平城京左京三条二坊宮跡庭園における景石の修復工法について

  • 吉川大輔
  • 加藤友規
  • 山口満
  • 森下浩行
  • 久保邦江
  • 吉村龍二
  • 北岡慎也
ランドスケープ研究 Vol.82 増刊 技術報告集 2019.03 pdfダウンロード

名勝無鄰菴庭園における本質的価値の検証にもとづく植栽の育成管理

  • 阪上富男
  • 加藤友規
  • 出口健太
  • 半田沙奈絵
  • 太田絢子
ランドスケープ研究 Vol.82 増刊 技術報告集 2019.03 pdfダウンロード

名勝無鄰菴庭園における本質的価値としての野花を生かした芝生管理のあり方

  • 阪上富男
  • 加藤友規
  • 半田沙奈絵
ランドスケープ研究 Vol.80 増刊 技術報告集9 2017.03 pdfダウンロード

名勝無鄰菴庭園の年間維持管理-山縣有朋の感性を読み取った庭園管理のあり方-

  • 阪上富男
  • 加藤友規
ランドスケープ研究 Vol.76 増刊 技術報告集8 2015.03 pdfダウンロード

管理業務をとおした渉成園の保全と復元

  • 寺内 桂子
  • 加藤 大貴
  • 加藤友規
日本造園学会 造園技術報告集 (1) 2001.03 pdfダウンロード