
2026年10月17日に開催された「令和8年度(2026年度)日本造園学会関西支部 設立60周年記念大会」において、計画設計部の田中幹が登壇し、「生物多様性の保全、増加する観光客への対応」をテーマに発表を行いました。
冒頭では、弊社が設計・工事監督支援などを手掛けた「京都御苑間之町口雨庭」についてご紹介いたしました。整備前後の写真とともに、都市の雨庭が豪雨時の減災に大きく寄与する様子をお伝えし、あわせて小中学校での環境学習や市民参加型のお手入れ体験など、地域・社会貢献に関する弊社の諸活動をご報告いたしました。庭園や緑地を守る取り組みは、必ずしも設計・施工を手掛ける技術者だけで完結するものではありません。地域の方々の関心を育み、対話を重ねることで持続的な保全が達成されていく、そして日本庭園の価値が再び、あるいはさらに見出されていく――こうした植彌加藤造園の姿勢をお伝えいたしました。
また発表後半では、オーバーツーリズムが顕著となる昨今、人の移動が活発化することで生じる自然環境への影響についてお話しいたしました。靴底や手荷物を介した外来種の持ち込みの懸念や、文化・マナーの違いによる鑑賞のあり方など、実務で直面する現実的な課題をお伝えするとともに、その解決につながる活動として、近年弊社が進める「海外向け研修プログラム」や、ホテル椿山荘東京における「自然共生サイト」としての取り組みをご紹介いたしました。
気候変動や観光客数の増加など、京都も含めた日本庭園や都市の緑地空間を取り巻く環境は大きく変化しています。しかしその解決に向けた重要なヒントは、伝統的な造園技術や日常の庭師の庭園管理の目線にも隠されています。植彌加藤造園は今後も、庭園が持つ本質的価値をはぐくみながら、社会の変化に柔軟に応え、豊かな自然環境と庭園文化を未来へつなぐ活動に取り組んでまいります。