百万遍知恩寺作庭庭園|育成管理庭園

知恩寺は、正式には長徳山功徳院百萬遍知恩寺といいます。知恩寺の歴史は、賀茂の禅坊と当時呼ばれていた賀茂の神宮寺に法然上人が住まわれたことに始まります。法然上人の没後、弟子の源智上人が師の徳を偲んで「知恩寺」と名付けられ、さらに、後醍醐天皇の勅命により「百萬遍」の号が下賜されました。その後、何度か移転を繰り返しましたが、寛文2年(1662)に現在の地に寺地が定まりました。

その知恩寺において、法然上人八百年大遠忌に伴い、小方丈の南側に庭園が作られました。この庭園は、法然上人の御遺訓にある、念仏を唱える際に必要な三つの心と極楽浄土への往生のために必要な四つの修法、すなわち「三心四修」を表現しています。小方丈から見て、右側から順に「三心」である、至誠心、深心、回向発願心を表しており、また、景石で「四修」、恭敬修、無余修、無間修、長時修を表現しています。至誠心や深心と縁のある花言葉を持つツバキやツワブキを植え、苔で深心をイメージさせる海を表現し、石橋で回向発願心によって功徳がめぐる様を表現するなど、より「三心」を感じやすい庭となっています。また、庭園の中程の奥や左側に据えてある3個の石は、阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩になぞらえた三尊石であるとともに、元祖法然上人、2世源智上人、3世信慧上人を表しているなど、浄土宗の大本山に相応しい作りの庭園となっています。

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所在地:京都市左京区
公開状況:一般公開
作庭時期:2011年