国立京都国際会館は、2018年10月に既存のイベントホールと調和したデザインをそなえたニューホールをオープンしました。本計画に伴うランドスケープ工事においては、建築と庭が融合する「庭屋一如」をテーマに京都らしさを感じる空間が実現されました。
また、ニューホールでは、内装を中心に「京都らしい設え」を施す取組が行われました。そのため、庭においても伝統的な技や材料、空間構成を取り入れることで「京都らしい設え」を創出することが意図されました。
株式会社日建設計の小松良朗氏の設計により、それぞれに特徴がある「前庭」「屏風庭」「辻庭」に加え特別室専用庭の4エリアが、周辺の風景や既存施設を巧みにつなぎ取り込みつつ、多様な空間を結び合わせるデザインとなっています。
施工を担当しました弊社では、設計意図をくみ取り、綿密な意見交換をもとに各資材の提案や、モックアップの作成を行い、より良い作品を創作するプロセスに協力いたしました。
ホールのアプローチ部分となるホワイエ入口付近の「屏風庭」では、里山の四季美と水琴窟により「迎え入れる庭」が演出されています。「前庭」「辻庭」では、コンクリート建築と調和するダイナミックな枯山水となっており、その風情に合った黒鞍馬石などの京都産の石材の提案をいたしました。特別室専用庭では、京都産の石材によるあられこぼしの延段により伝統的な職人技を駆使しました。
現代的な意匠と、京都らしさが洛北の地で融合し、世界中の賓客が集うにふさわしい空間が実現しました。