SOWAKA

京都祇園にたたずむスモールラグジュアリーホテルSOWAKA(そわか)は、大正年間に造営された元老舗料亭を改修した数寄屋建築の本館と、新たに造営した現代的な和風意匠の新館からなります。建築の監修・設計を魚谷繁礼建築研究所が行われ、植彌加藤造園が本館のアプローチ、前庭(ラウンジの庭)、中庭、主庭、各客室の専用庭を改修施工いたしました。

施工にあたっては既存の井筒を改めて湧き井筒として復活させ、改修以前からあった庭園要素や樹木を残しながらも、京都らしい季節感や時のうつろいをプライベート感を失わずに味わえる上質な空間を目指しました。

●アプローチ
老舗料亭らしい石畳を残しつつ、橋杭の石造物や植栽によりゲストの視点から落ち着きと現代的なデザイン性が感じられる和のホテルの入口として修景しました。

●主庭
樹木や石材の基本的な構成は活かしながら、しばらく人の手が入らず藪のようになっていたお庭を茶庭としても利用できるようによみがえらせています。また、長い年月で樹形が崩れてしまったモミジやカシは、空間に合わせた樹形に育成をしていきます。

●前庭(ラウンジの庭)
古材の板石を用い、延段の目地をモルタルではなく土を入れ苔の育成を促すなど、経年変化を美とする要素を持ち込みました。

●中庭
モミジが2階屋根を超えるほど大きくなっていたため、2階窓からお楽しみいただけるようサイズダウン剪定を行い、1階のフロントやバーから低い目線でもお楽しみいただけるよう織部灯籠や植栽を設けています。

●客室の庭
各客室の、室内からの見え方や環境特性に合わせて、それぞれ異なる意匠のお庭を施工しました。また、客室同士の視線を植栽でコントロールしたり、室外機などの設備が客室内に影響を与えないよう配慮を行っています。

所在地: 
京都市東山区
公開状況:
公開(施設利用者対象)
作庭時期:
2018年

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