真言宗智山派の総本山で、根来寺(和歌山県)の学問所として鎌倉時代中頃に創立されました。豊臣秀吉によりいったん廃絶の憂き目にあいますが、江戸時代に徳川家康より寺地を拝領し再興されたのが現在の智積院です。
講堂東側に残る庭園は、さらに寺地を拝領し、境内が拡張された後の延宝2年(1674)に智積院第7世運敞が作庭したものと思われます。
細長い池越しにそびえる築山や、築山に植えられた特徴的な形の刈込など、独特の意匠を持つ庭園は、作庭当時から東山第一と賞賛され、京都の名園の一つとして現在までその姿を残しており、昭和20年(1945)には国の名勝に指定されています。