大本山金戒光明寺の大方丈の東北に面し、江戸時代中頃に作成された京都の案内書『都名所図会』にも記されている大池(鎧池)の周りには、「紫雲の庭」と「ご縁の道」が作られています。
「紫雲の庭」は、法然上人800年大御遠忌記念として、法然上人の生涯やゆかりの人々などを大小の庭石で表現した枯山水庭園です。白砂とスギゴケを敷き詰めた庭園は、大方丈から見て右側が美作(みまさか)の国での幼少時代を、左側が比叡山延暦寺での修業時代を、真ん中が浄土宗開宗・金戒光明寺の興隆を表した、一つの絵巻物のような構成となっています。
また、「ご縁の道」は、法然上人の唱えた浄土宗の基本的な考え方の一つである「ご縁」を表現する庭として作庭されました。2本の道がつながって1本の道となる構成は、2人それぞれの人生と出会い、そして共に生きていくという、ご縁のあり様が表現されています。