本庭園は、新大阪駅に程近い場所に建設された株式会社ソフトウェア・サービス様の新本社ビルの屋上庭園です。
大阪都心のオフィスビルに設けられる日本庭園として、美しく、やすらぎ・うるおいのある、都会のオアシスのような庭園を目指し、屋上という制約条件の中でも奥行き・スケール感のある風景、潤いの感じられる空間として古来から水を巧みに利用してきた日本庭園の景観づくりを行いました。
庭園は大きく2つで構成され、一方は白砂や枯れ滝石組で構成された精神性のある枯山水庭園、もう一方は、棚田石積や池・流れをもつ、ふるさとの風景となっています。
本庭園のような屋上庭園を作る際に最も苦労するのが重量の問題で、地上のお庭のように築山を土で盛り上げると、通常のビルでは耐えられないか、耐荷重の構造が非常にコストがかかります。そこで本庭園では、地盤の骨格を発泡スチロール系の軽量嵩上げ材で形づくるとともに、巨石や土、流れ底を固めたモルタルに及ぶまで、軽量素材を駆使しています。言葉では何かいかにも「軽い」イメージとなりますが、強化プラスチックの石組も実際の石組をもとにデザインした特注品で、触らなければわからないほど精巧なものです。
こうして軽量化に努めながら、サクラ・モミジなどの樹木を配して四季折々の情景が楽しめるとともに、木々の間からビル街を一望することができる、都心のオアシスが誕生しました。