南禅寺 滝の間育成管理庭園

南禅寺本坊拝観の入口となる庫裏玄関を入ってすぐ、右手側にあるのが「滝の間」です。

その名の由来でもある高低差のある滝は、1890年(明治23年)に開通した琵琶湖疏水より導水し造成されました。

滝の間では、ご参拝の方に飛泉障り(ひせんさわり)の景を感じていただけるよう滝を中心とした景色を育成管理しています。飛泉障りとは、江戸時代に執筆された「築山庭造伝」にも記載がある伝統的な技法です。作庭時に高い技術と多くの費用を要する滝は、庭園の中でも最も重要な構成要素のひとつです。日本庭園では、滝全体がむき出しに見えているのは望ましくないとする見方があり、それを防ぐために、人為的に滝の前にさしかけたモミジなどの樹木の枝を滝の近くに配したものが飛泉障りです。また、結果として庭園の中で滝の重要性をより高め、空間に奥行きを感じさせる効果が生まれることもあります。

飛泉障りの景色は長い年月をかけて実現します。かつて滝の間で飛泉障りとなっていたオオモミジは、植彌加藤造園五代目・加藤次郎の代に植栽されたものです。樹木は次第に成長するため、かつて飛泉障りだった枝の位置が移動し、 飛泉障りとして機能しなくなることを避けることはできません。そのため、オオモミジの成長を見越して、より手前の場所に当代・加藤友規の代に新たに飛泉障りをなすモミジを植栽いたしました。さらに2012年には新たに滝石組の中腹西側に苗木を植え、次世代の飛泉障りをはぐくんでいます。

滝の間では、ごゆっくりとおくつろぎいただきお抹茶(有料)を味わっていただくことができます。詳細は南禅寺の公式ウェブサイトをご覧ください。

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所在地:京都市左京区
公開状況:一般公開

南禅寺本坊略図
南禅寺本坊はなごよみ
南禅寺 公式サイト