六道庭(ろくどうてい) (昭和42年(1967) 植彌加藤造園設計施工)
小方丈からさらに奥に進むと「六道庭」に行き当たります。「如心庭(にょしんてい)」が解脱した心の庭であるのに対し、この「六道庭」は、六道輪廻(りんね)の戒めの庭になります。六道輪廻とは、天界、人間界、修羅の世界、畜生界、餓鬼界、地獄界の六つの世界を我々は生まれ変わり続けるという仏教の世界観をいいます。一面の杉苔の中に配石された景石を眺めていると、煩悩に迷い、涅槃(ねはん)の境地に達することなく六道を輪廻する我々凡夫(ぼんぶ)のはかなさを想います。
昭和42年の作庭当時は、庭の前面部分が白砂敷、東側側面に本歌の南禅寺垣がありました。西側側面の竹垣は南禅院の竹藪から孟宗竹を切ってきて太めの鉄砲垣を創作したもので、これを「大筒垣(おおづつがき)」と名付けました。
南禅寺
南禅寺 方丈庭園
南禅寺 小方丈庭園
南禅寺 大玄関庭園
南禅寺 華厳庭・龍吟庭
南禅寺 滝の間